鍼灸師の仕事 柔整師との格差
僕が選んだのは柔整師よりも鍼灸師の仕事だった。
学費を出してくれた父親からは「柔整師のほうが保険使えるぞ」と言われたけれど、どういう意味かよくわからなかった。
ただ、門外漢だった僕にとって、骨折や脱臼の患者を診るよりも、体全体の治療のほうが魅力があった。
リラクゼーションや整体の手技だけでは治療は当然出来ない。
手技+「奥の手」としての鍼灸を使えるおかげで、僕は50歳を超えてもこの仕事が続けていけるし、先生と呼ばれている。
”カリスマ”でもないオッサン先生のところへ施術に来ていただけるのは本当に有難いけれど、それは「鍼灸院」だからだ。

資格を取るための国家試験は柔整師のほうが難しい。
しかし、昔程ではないが、やはり柔整師のほうが鍼灸師よりも需要と収入は高い。
「治療院」よりも「整骨院」のほうが利用者にとって各険適用による費用控除を利用して通院出来るのは魅力だし、施術者本人が診断書を書くことも出来る。
一日一万以上稼げる最低限の施術スタッフを育てるにしても、一人前の鍼灸師を育てるより施術補助程度の柔整師を育てるほうが楽。
仮に整骨院に勤めなくても、デイサービスなどへの介護施設へも雇用されやすい。

鍼灸師が一人で食べていけるには、一日中1時間近くの施術を繰り返し出来るだけの体力と技術が必要。
それから患者さんがまるで来ない時が続いても不安にならないこと。
開院して十年以上経っても、連休なんて休み明けから開店休業になりそうで、怖くてなかなか取れない。
僕はほぼ同じ内容の日々を 健康で他に何も問題が無ければ 年間約340日程度繰り返している。

治療院を始めた頃、タオルと鍼灸道具があれば何処でも仕事が出来る、と思っていた。
今は、訪れて頂く人達にとってより必要とされる仕事を積み重ねていきたい、と思う。


  

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# by tairaacp | 2017-09-20 17:00 | 鍼灸師の仕事 | Comments(0)
鍼灸師の仕事 鍼灸師の手
 治療院やリラクゼーションサロンに客として行くとき、施術側の人に僕の手をしげしげと見られると、「バレたか!」みたいな感じになる。
 仕事のせいで指が変形しているし、爪にヒビが入りやすいので両親指に透明のマニキュアをしている。
 そんな指の職業なんてあまりない。
 
 最近困っているのは両親指の指紋がだんだんすり減ってしまって、小さなくて薄い紙などがなかなか掴めないこと。
 患者さんにはったままの湿布や皮内鍼のシールを剥がすのが目茶苦茶苦手だ。
 
 鍼灸師とは言っても、僕の場合は揉みほぐしが多いから、だんだん手が潰れていく。
 でも、仕事の側から言うと「使いやすい手」に成長したとも言える。
 今一人だけ教えている子も、最初から変な指の使い方を覚えてしまわないように気を遣う。
 でも、何れ彼が本格的に仕事を続けるようになったら、それからの彼の「手」は彼自身が作ってくれたらいい。 
 僕にとって、今の僕の手は不器用で格好悪いけれど、本当に感謝している。

      

   

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# by tairaacp | 2017-09-14 15:00 | 鍼灸師の仕事 | Comments(0)
鍼灸師の仕事 資格の有無
 リラクゼーションサロンで勤めていた時は無資格だったが、整骨院で仕事を手伝わせて貰えるようになったのは資格を取ってから。
 資格を取ってからのほうが教えられた施術を自分なりに理解出来たけれど、意味のないと思えるようなことを、先輩からバケツリレーのように機械的に覚えさせられるのは苦痛だった。

 資格がなくてもリラクゼーションサロンでの仕事は出来ないこともない。
 リラクゼーションサロンは治療院ではない。
 「マッサージ」という名称を使用せず、代わりに「リラクゼーション」に置き換えておけば、ほとんどの場合(周りの同業者や治療院から)訴えられることはない。
 施術料金が安ければ無資格の外国人が体を揉んでくれても体が楽になるのであれば別にかまわない、という人達だけでも十分需要がある(と思っているらしい)。
 
 柔整の資格は各種保険適用内での施術が実質抑えられているし、ひとつの活用策としての社会福祉や介護への資格利用もそれ程広がっていない。
 また、首や肩を痛めたり腰痛の初診時、患者さんが近くの治療院や整骨院よりも、整形外科へ足を運ぶ傾向が強まってきている。
 鍼灸師の場合もほぼ同様の状況だ。
 
 仮に仕事を続けながら専門学校に入れば、年間百数十万程度の学費負担だけでなく、授業や勉強に忙殺されて、今まで出来た仕事は半分以下しか出来なくなる。
 全てを金額換算してしまえば、年間200万以上のお金を最低3年間失い続ける感覚になる。
 (奨学金は利用出来るけれど、入学時には最低最初の1年分位の学費や入学金分位は予め用意しておくべき)
 また、鍼灸師か柔整師の資格のどちらかの免許を取得しても、もう片方の免許を取得するためにはまた専門学校に改めて入学しなければならない。
 (免許と重複する基本科目は免除になることがある)

 しかし、未だに「先生」といってもらえる資格を3年で取れるのは最短だし、社会人になってからでも必死で頑張れば人の痛みを癒せる立場になれる。
 これらの免許は一度取得してしまえば今のところ更新制度はないし、公的機関もどきの有料講習制度もない。

 30歳半ば過ぎて独立をしたり、50歳を過ぎても続けていきたいのであれば、鍼灸師や柔整師の国試資格は取っておいたほうが良いと思う。
 20年以上この仕事を続けるのであれば、施術経験だけではなく、これ位の勉強をしておく時間は必要だろう。
 リラクゼーションサロンの仕事はお客さんを気持ちよくさせることだけれど、治療院の仕事は患者さんを治して維持させること。
 どちらが患者さんにより長く必要とされるかといえば、後者が絶対的に有利なのだから。
  

    
 

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# by tairaacp | 2017-09-07 17:00 | 鍼灸師の仕事 | Comments(0)